抗がん剤の副作用
吐き気、おう吐
最初に起こるのが、食欲不振と吐き気、極度の倦怠感です。
私が入院中、同じ病気の方でこの副作用に耐え切れずに、治療を拒否して退院してしまった方がおりました。
私は、吐き気はほとんどありませんでした。これには、医師や看護師たちが驚いておりましたね。
検査などで廊下に出ると、たまに他の白血病患者の個室のドアが開いていて、中が見える時がある。個室には洗面台がついていて、そこに洗面器のようなちょっと変わった形の容器がおいてある。私以外の部屋は全部。
看護師にその容器のことを聞くと、他の患者さんたちは毎日おう吐を繰り返しているとのこと。その方たちのお気持ちを考えたら、言葉が出ませんでした。
筋力の低下
手足はみるみるうちに細くなり、背筋力もなくなるので背中がやや丸くなりました。
トイレに立つだけでもつらくなります。臀部の肉もなくなり、固い椅子に座ると骨があたって痛い。抗がん剤で、筋肉が破壊されてしまうんですね。
思考能力の低下
スマホの画面を見るのがつらい。テレビの画面を見るのがつらい。本を読むのがつらい。目から入ってくる情報が、頭の中で処理しきれなくなってしまう。
なので、眠るか、病室の天井をぼーっと見ているだけ。それで一日が終わってしまいます。
脱毛
白血病治療の副作用といえば、誰もが思いつくのは頭髪の「脱毛」ですね。
実際には、全身の毛は全部抜けます。
私の場合、抗がん剤の投与が始まって、2週間が過ぎたころに脱毛が始まりました。
私はもともと坊主頭だったので、スキンヘッドは本人としてはあまり違和感ありませんでした。しかし、眉毛とまつ毛もなくなりますので、人相が変わってしまいましたね。
抗がん剤投与をやめれば、すぐに生え始めますが、髪質は変わってしまいます。
皮膚がぼろぼろに
また、肌着を脱いだ時に、肌着の内側に白い粉のようなものがついてきます。皮膚がボロボロになって剥がれ落ちるんです。
これも全身です。しかし、この症状は1~2か月でなくなりました。
口内炎
医師や看護師が、一番気にかけてくるのが口内炎です。毎日、口の中をチェックされます。
免疫力がありませんので、粘膜、特に口の中の炎症、口内炎ができやすい。舌もコケで真っ白になってしまう。
予防のために、一日に10回以上、うがいと歯磨きをしていました。
口内炎が無数にできて、食事ができなくなる人もいるそうです。
私は、一度も口内炎ができなかったので、大変驚かれました。
味覚障害
私が一番つらっかったのは、味覚障害です。
食べ物がおいしく感じられないというレベルではない。まるでこの世のものとは思えない味になってしまうんです。ですから何も食べたくなくなっちゃうんです。
最終的には、体重は20キログラム落ちました。
便秘
最もつらっかったものがもう一つ。便秘です。死ぬかと思った。詳細を書くのはやめておきます。苦笑
これらの副作用は、私自身がつらいのはもちろんですが、それを見ている家族も同じようにつらっかったと思います。その気持ちを考えると、胸が痛みます。
抗がん剤を点滴で投与している間は、37.5度ぐらいの発熱があります。人によっては高熱が続くこともしばしば。
私は最高で41度ぐらいの熱が数日続きました。合併症です。肺炎になった時と、敗血症になった時。「人はこうやって死んでいくんだな」と思いました。
そのことは、もう少し後に書きます。
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