白血病から生還
復職
急性リンパ性白血病、フィラデルフィア染色体異常と診断されてからちょうど1年。
8カ月間の抗がん剤治療(入院)と1カ月間の放射線治療(通院)、そして3か月間の自宅療養を経て、2018年4月に元の職場に復職しました。
会社には特別な配慮をしていただき、リハビリがてら負担のかからない仕事から始めさせてもらえました。
白血病と診断された時は、まさか仕事に復帰できるとは思いませんでしたので、うれしかったですね。会社や上司、同僚の皆さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
この病気にかかって、治る見込みがないと会社に判断され、退職を余儀なくされてしまう方も多いと聞きます。命が危ぶまれる病気にかかって、そのうえ仕事も失う…。胸が詰まります。
剣道再開
復職と同時に剣道の稽古も再開しました。病に倒れる前までは、稽古のし過ぎだったと反省しきり。(以前の稽古メニューはこちら)
最初の1カ月間は、週1回1時間の稽古だけに抑えました。本当は、もっとやりたかったんですけど…。稽古をすると3日間ぐらい疲労が取れないんです。抗がん剤治療の後遺症ですね。
しかし、1カ月後に開催が予定されている市民大会には、このときすでに出場する気満々になってました。試合大好きですから。
そして、試合当日を迎えました。
復帰戦
当日、試合会場について、トーナメント表を見て愕然としました。1回戦のお相手が、一昨年の大会の優勝者。その時、私はこの方に負けているのです。しかも今回は、病み上がり。勝ち目はありません。
「とっとと1回戦で負けて、早く家に帰って体を休めよう」
そう思いましたね。とにかくこのころは、体を休めたいということばかり考えていましたので。
そんなあきらめムードの中、1回戦が始まった。蹲踞の姿勢から「はじめ」の号令がかり、立ち上がって上下太刀に構える。(注:上下太刀とは二刀の代表的な構えの一つ。上段の構えの一種)
「あらっ?」
ちょっと様子が違うんです。私は体力も筋力も極端に落ちました。稽古もしてません。しかし、お相手の動きがよく見える。まったく怖くないんです。気づけば体力がない私が、お相手を追い込んでいる。しかも、足の裏とつま先は、抗がん剤治療の後遺症で感覚がないままなのに。
終わってみれば、この大会、優勝していました。
何とも不思議なものですね。長く過酷な闘病生活から得たものが、私の剣道の成長にも作用したのでしょうか。
表彰式のあと、周りの方々から「本当に白血病で入院してたの?」なんて言われてしまいました。笑 (この大会の試合内容は、こちらの投稿で記述しています)
しかし、これでちょっと自信をつけてしまったんですね。
この4カ月後に行われる、千葉県剣道選手権大会(全日本剣道選手権大会千葉県予選)に出場することを決意してしまったんです。(出場の模様はこちら)
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