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2019年3月30日土曜日

リバ剣の準備 その3 打ち込み①

足さばきと素振りでは物足りない


実際に片手で打ちたい


  9年前(2010年)にリバ剣を決意し、道場デビューする前にやったこと。

 前回の投稿(「リバ剣の準備 その2」)までで、足さばきや素振りなどについて書きました。

 そこまでやったら、次は「打ち込み」ですよね。

 片手素振りを毎日3時間以上やり続けた。2㎏の鉄筋棒で。笑
 その結果、剣道に必要のない筋肉がいっぱい付いた。これが後で、大ブレーキになるんですけど……。そのことは、回を改めます。

 実家に帰った時に、30年前に使っていた竹刀を見つけて、持ってきた。
 片手で振ってみたらビュンビュン振れる。何しろ、毎日2㎏の鉄筋棒を振ってますから。笑
 
 そうなると、「実際に、何かを打ってみたい」という衝動に駆られますよね。
 道場デビューの前に、片手で「面」「小手」「胴」を打てるようにならなければなりません。いきなり二刀で稽古するためには。

打ち込み稽古する場所


 ここで、問題に突き当たります。
 “打ち込みをする場所がない”のです。

 自宅はマンションですので庭がありません。バルコニーで打ち込み稽古したら、ご近所迷惑だし……。


 小学生のころ、私は剣道が大好きで、週3回の道場の稽古をいつも待ち遠しく思ってました。
 「なんで、道場の稽古が毎日ないんだろう」
 そんな少年だったので、道場のない日は家の裏山で、桑の木を相手に“打ち込み”をやってた。


 「そうだ、あの頃のように外で“打ち込み”ができるところを探してみよう」

 日曜日の昼間、ジョギングがてら探してみた。自宅マンション周辺は、アスファルトとコンクリートだらけ。裏山なんてないし、どこでやっても他人に迷惑がかかる。

 「海の方も探してみるか」

 自宅マンションから10分ぐらい歩けば海なんですけど、そこへは車道も歩道も整備されておらず、地元の人間もあまり行かないところ。昼間でも人けがない。 

 「あった」

 そこには、埋め立て造成当時に植えられた防風林が、1㎞ぐらいにわたって海岸沿いにありました。
 30年前までは、市内の海岸沿いに、この防風林がつながっていたのですが、開発が進むにつれその姿を消していきました。
 ここは、最後に残った1区画。

 「ここでやろう」

防風林の中で


 その日の夜、竹刀を持って“防風林”を目指して走った。11月のこと。秋とはいえ、夜はかなり冷える。
 目的地について驚いた。真っ暗なんです。外灯がない。
 もちろん周りには、民家や建物、人けもありません。
 恐ろしくなって、帰ろうかと思いました。笑

 でも、他に“打ち込み”ができる場所もないし、こんなことであきらめるわけにはいかないと思い、道のない真っ暗な林の中へ入っていった。
 しばらくすると、目が慣れてきてうっすらと辺りが見えてきた。何に使う予定だったのか、数本の松杭が置いてある。そのうちの1本を立ち木に立て掛けてみると、ちょうど自分の背丈と同じ高さ。

 「これを打とう」

 こうして毎夜2時間、ここで“片手での打ち込み稽古”が始まったのです。