化学療法と放射線治療の結果を確認
発病してから約一年
約8カ月間の化学療法(抗がん剤治療)を終えて退院し、通院で約1カ月間の放射線治療を受けた。骨髄移植はしませんでしたが、ひと通りの治療は終了しました。長かったですねぇ、本当に。
ある意味、貴重な1年間でした。このころ私は53歳。残りの人生をやっていく上で、必要な経験ができたのかも知れない、と思いました。人生観変わりましたからね。
頭はスキンヘッド。眉毛なし。まつ毛なし。筋力なし。激やせ。よちよち歩き。
入院中は気になりませんでしたが、退院してから人目が気になりましたね。誰が見ても癌患者だとすぐ分かる。相当ヤバい状態だと思ったでしょうね。
特に困ったのが、ご近所さんに会ったとき。変わり果てた姿を見て、皆さん驚きますので、会う人ごとに説明しなければならない。おかげで、白血病のレクチャーはだいぶ上達しました。笑
そんな中、最終的な検査にのぞむことになりました。
PET-CT検査。1年前にもやりました。その時が初めて。
装置は、普通のCTの数倍の大きさがあり、目の当たりにすると異様な雰囲気に圧倒されます。検査を受ける前に、造影剤を点滴で投与するんですが、腕に針を刺して造影剤を注入する段階になると、検査技師と看護師は別室に退避します。放射性物質なんですね、その造影剤は。
1年前は、自分が癌とは知らずに検査を受けてますので、ここで初めて自分が大変な病気になっているんではないかと、気づき始めました。当時のことを思い出すと、今でも怖いですね。
そしてちょうど1年後に同じ検査。あの時の、何とも言えないような気持……、何かの間違えであってほしい……、自分のことではないような……、そんな気持ちがよみがえってきましたね。あれから1年。長かったなぁと。
検査の結果
3日後にPET―CT検査の結果を聴きに再び病院へ。
「これが1年前の検査の画像です」
PET-CT検査とは、全身の癌の状態が一目でわかる検査方法で、画像は全身の骸骨姿のレントゲン写真のようで、しかも非常に鮮明です。
「黒い部分が全部“癌”です」
見せられた画像は、全身の骨が全部真っ黒。かろうじて白いのは、手の先と足の先だけ。約80パーセントの骨髄が癌化していた。
「こちらが今回の検査の画像です」
骨は全部真っ白でした。
「転移(浸潤)もありません」と主治医。
以前、「白血病の治療~私の場合~①」で“寛解”はフルマラソンに例えたら最初の給水所に行ったところ、といいました。
また、「白血病の治療~私の場合~⑪」では、“退院してもまだゴールではない”、と言いました。
急性リンパ性白血病フィラデルフィア染色体異常と診断されて約1年。ようやく、フルマラソンのゴールまで、たどり着きました。感慨深いですね。生きてるんだなって思いました。
しかしそこは、これから始まる“ゴールのないマラソン”のスタート地点でもあったのです。
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