基本の打突を伝授
二刀の大刀。黒いしるしが重心位置。 片手刀法は刀の重心を意識することが肝要。 |
2010(平成22)年2月と3月。それぞれ1回ずつ、武蔵会東京支部の定例稽古会に参加させて頂いた。両日ともに、全体の指導担当はKさん(HN:KOJIROさん)でした。
まずは2月。
前回は、私の指導を担当して頂いたKさんが、マンツーマンで指導して頂きました。
今回からは、全体の稽古に混ざって参加。非常に緊張しましたが、これから二刀を執って剣道をやっていくうえで核になるものをつかみたい、そういう思いでいっぱいでした。
二刀の形稽古
古流である二天一流武蔵会では、形(かた)の稽古を重要視しています。
私が小学生のころに通った道場でも形は重視していて、小学生でも日本剣道形は全員できました。(当時の様子はこちら)
ですから、二刀の形には非常に興味がありましたので、二天一流用の木刀大小を準備して、参加しました。
武蔵会では「五方ノ形」以外にもいくつかの形を稽古していて、今回も先師荒関二刀斎が制定した「十三本の兵道形」を稽古しました。
初めての二刀の形稽古で、皆さんについていくのが大変でしたが、理合を覚えるには形稽古は必須。この日は、十三本のうち三本をしっかり覚えました。
片手での小手打ち
前回は、Kさんにナンバと面打ちまで、教えて頂いています。
なんと、この日の基本稽古のメインメニューが"上下太刀の構えからの小手打ち"。グッドタイミングでした。
教えて頂いた上下太刀からの小手打ちのポイントは次の通り。
- 上下太刀に構えた時、大刀の重心は頭の真上(正中線上)に置く
相手のどこを打つかにかかわらず、構えの基本は変わりません。 - 大刀の刃部を相手に向ける
刃部が天井を向くことがないようにする。これも、どこを打つかで変わることはありません。 - 振り下ろす時も重心を正中線上からはずさず、「面打ち」と同じ太刀筋で振り下ろす
降り始めから、重心を打突する小手側にずらすことのないようにする。 - 中段に構えた相手の太刀の物打ちの裏に、大刀の重心部分を通す
相手の竹刀の裏、スレスレのところを通すようにする。この瞬間は、大刀を握った拳はへその前。 - 大刀を握った拳を一気に自分の左腰骨の前に持っていきながら、物打ちで小手を打つ
大刀が相手の竹刀の裏に入る瞬間に、大刀を握った拳を左腰骨の前あたりに瞬間移動させる心持。その時、大刀の重心を意識し、重心をずらさずに拳を動かすことによって物打ちで小手をとらえる。 - 大刀が重心を中心に回転するようにして打つ
大刀の物打ちが小手に当たる直前に拳を跳ね上げる。これが手の内の冴えになる。平打ちにならないように、刃筋を通す。
片手での胴打ち
ここからは翌3月の稽古会。私はすべての稽古会に出席できているわけではないのですが、なんとこの日の基本稽古のメインメニューが胴打ち。またもやグッドタイミングでした。
教えて頂いた上下太刀からの胴打ちのポイントは次の通り。
- 上下太刀に構えた時、大刀の重心は頭の真上(正中線上)に置く
胴打ちの時も、構えに変わりはありません。 - 大刀の刃部を相手に向ける
刃部が天井に向かないようにする。胴打ちの時も変わりません。 - 振り下ろす時も、重心が正中線に近いところを通るように振る
相手との間合や位置関係で多少違いますが、大刀の重心が正中線上から大きくはずれることのないように振る。 - 斜め45度の刃筋を通す
バットのスイングにならないようにする。最短距離の太刀筋で胴をとらえる。 - ナンバ歩きの要領で、背骨を軸に骨盤を回転させて、しっかり腰で打つ
熟練を要する。ナンバ歩きをしっかり稽古することが肝要。
これで、「面」「小手」「胴」と、突き以外の基本打ちの方法を習うことができた。
感激と感謝。念願でしたからね。
稽古会が終了したのは夕方。
「正しい刀法を早く試したい」
飛んで帰って、地元の所属道場の稽古に行きました。