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2019年4月16日火曜日

半月板損傷 剣道の稽古中

初出場した試合は反省しきり


取り組むべきことが見えたばかりなのに


 前回の投稿で、30年ぶりに剣道を再開して始めての試合となった、2010(平成22)年の浦安市春季市民剣道大会に出場したことを書きました。
 しかも、始めて間もない二刀での出場で、1試合中に場外反則を4回もやってしまうという大失態。前代未聞だと思います。(その様子はこちら

 30年のブランクで、"コート感覚"が全くなくなっていることが判明しました。

 普段の稽古では試合コートのことなんて意識しませんからね。これは、試合経験を重ねて、取り戻していかなければならない感覚なんだなと思いました。

 他にも、反省点、改善しなければならないところはたくさんあります。数え上げたらきりがない。取り組まなければならない問題だらけ。

 その中でも、最も重要で真っ先に取り組まなければならないことが、はっきりした。

足さばき


 リバ剣して、試合に出てみて、痛感したこと。
 やはり、攻める、打突の機会をつくるのは、「足と腰」だなと思いました。
 
 この半年前、リバ剣を決意した時に、最初に取り組んだのが足腰の強化、そして足さばき。なのに、その足が動かない。試合になったら全くダメなんです。稽古ではそこそこ足が遣えてたんですけどね。
 
 今までの稽古量では"ぬるい"と思い。さらに強化しなければならないと思った矢先、予想もしていなかったことが起こった。

右ヒザ半月板損傷


 市の剣道連盟が主催する稽古会に参加した時のこと。

 稽古場所は、所属道場が使用している市の武道館ではなく、市の総合体育館。

 「ここは、床が硬いな」

 会場に入ってすぐに思った。剣道をやる人なら、結構気にするとこですよね。

 案の定、稽古開始前に担当者からアナウンスがあった。

 「ここは、床が硬いので気をつけてください」

 まるで、コンクリートの床の上に直接板材を張ったような感触だ。その日は強く踏み込まずに稽古したつもりでした。
 
 稽古終了時の「静座」で、何となく右ヒザに違和感があった。それでも、特に気にすることもなく帰宅。

 しかし翌日、右ヒザに痛みを感じるようになり、3日後には痛くて右ヒザが曲げられなくなった。

 「これは、半月板が折れてるな」

 そう思った。
 
 実は私、この9年ほど前に左ヒザの半月板を損傷して、手術した経験があるのです。
 この左ヒザは、小学生のころに剣道の稽古中に痛めてそのままにしていたもの。日常生活に支障はなかったので、長年放置していたのです。

 "放置"といっても最初からそうしたわけではありません。小学生でしたから親も随分と心配して、あちこちの病院やら接骨院やら鍼灸院までいろいろ連れて行かれました。
 当時は昭和40年代後半ですから、レントゲン検査といってもアナログの時代で、画像の解像度なんてめちゃくちゃ低いですから、ヒザの痛みの原因が分からなかったんです。
 もちろんMRI検査なんてありませんでしたから。

 それから26年たったある日。家で床にあぐらをかいて座っていて、立ち上がろうとした時に「ボキッ」という音がして、左ヒザがロックして動かなくなってしまった。
 翌日、近所の整形外科を受診し検査すると、医師からこういう説明があった。

 「左ヒザの半月板が折れています。あなたは生まれつき、半月板が“半月”の形をしておらず、丸い形をしているので(これを円盤状軟骨といいます)、こういう人は普通に生活しているだけで折れます。右ヒザの半月板が折れるのも時間の問題です」

 この医師の言葉を思い出して、今回、“折れてる”と思ったのです。
 そしてすぐに整形外科にかかると、やはり思った通り。手術も一週間後と決まった。
 痛みだけで動かすことはできていた右ヒザは、手術当日までには「ボキッ」と音がしてロックしてしまった。
  
 手術が終わって当日一日だけ入院し、翌日退院しましたが仕事は2週間休みました。
 剣道は1カ月休むことになってしまった。これには焦りました。リバ剣後、初めての試合も二刀で経験して、さあこれからという時ですから。
 
 この剣道ができない1カ月間、何をすべきか考えた。

 「こういう時だからこそ、ヒザに負担のかからない“ナンバ歩き”をしっかり身に付けよう」

正しいナンバ歩き


 術後はリハビリがつきもの。半月板損傷の手術の後のリハビリは、ヒザの屈伸運動をすることと、歩くこと。これをしないと、ヒザが曲がらなくなったり歩けなくなったりする。

 リハビリの指導をしてくれた理学療法士からは、「ヒザが腫れた場合は、一旦中止し、腫れが引いてからやってください」と言われていました。

 早く剣道ができるようになりたかったので、まじめにやりましたよ、リハビリ。毎日2㎞歩くと決めた。
 この頃は、稽古していたナンバ歩きはまだまだ身に付いておらず、試行錯誤の状態でした。ですから日常でも、ナンバで歩いたり普通に歩いたりの繰り返し。リハビリ中もそうでした。

 するとすぐにこんなことに気がついた。

 「普通に歩くと手術した方のヒザが腫れるが、ナンバで歩くと腫れないな」

 正しいナンバで歩くと腫れない、これはいい“先生”になりました。
 本気でナンバ歩きに取り組むきっかけになりましたね。

 「ナンバ歩き」というと、同じ側の足と手を一緒に前へ出す歩き方、と思っている方は多いと思います。しかし、これは誤りです。
 「ナンバ歩き」とは、ある腰の遣い方で歩くと、結果的に自然と踏み出した足と同じ側の手が前に出るのです。(その方法は、こちら
 ですから重要なことは腕の振り方ではなく、“ある腰の遣い方”なのです。
 これは、日本古来の武芸に共通する基本中の基本ですね。

 リハビリをナンバ歩きですることによって、この“腰の遣い方”が理解でき、身に付き始めたのです。

 まさに、“怪我の功名”になりました。