「あきらめるわけにはいかない」
一刀を捨てた
前回の投稿で、ブランク30年からの剣道再開と同時に二刀を執った様子を書きました。
「あまりにもつらい。リバ剣なんてしなければよかった。以前の生活になんの不満もなかったんだから」
そう思いました。
しかし、同じ道場で息子も妻も剣道をやっている。ここで、私が「やっぱりやめた」と言ったら、家族はどう思うか。
「お父さんて、根性なかったの?」「だったら僕もやめようかな」なんて、息子が言い出しかねない。
妻には、「だから二刀をやるなんて反対だったのよ」って、言われるに決まってます。
やはりやめるわけにはいかない。子供の頃に二刀流に魅せられ、将来二刀を執ることを決め、病で一度はあきらめたその夢を、今実現できるところまで来ている。(二刀流との出会いはこちら)
それで、初日の稽古から帰宅した直後に、一刀での稽古用に用意した3.9の竹刀を“のこぎり”で切り刻んで捨てたのです。一刀を執ったら、そちらに逃げて二刀を執らなくなると思ったから。
せめて二刀で納得のいく結果が出るまでは、一刀を執るのはやめよう。お相手がどなたであっても、どの場所でも、必ず二刀でやる。そう決意しました。
二刀でリバ剣して気づいたこと
- 一番負担がかかった部位は「ふくらはぎ」
基本打ちの稽古が終わった時点で、足で床をける力は残っていませんでした。足が前へ出なかった。ふくらはぎに異常なくらい負担がかかっていたと思います。帰りに車を運転しようとすると、ブレーキもアクセルも適度な踏み込みができない。力の加減が分からないんです。ふくらはぎの筋肉が言うことを聞かないって感じで。危険なのでしばらく休んでから運転しました。 - 小刀を構え続けることがキツイ
意外でしたが、小刀を中段に構えていることが大変でした。わずか280gの小刀が重くて重くて手が下がってしまう。小刀で攻めるなんてできるようになるのかな、と思いました。 - 以外だった歓迎ムード
二刀に対して、あるいは二刀を執ることに対して、否定的なことは言われませんでした、今のところは。心配していたのとは逆に、好意的に受け入れていただきました。これは本当に安心しましたね。道場の先生方に感謝です。 - 剣道を続けている方々への敬意
道場に一歩足を踏み入れて、最初に感じたこと。「継続することも実力のうちだな」そう思った。私は小中学生のころ、試合で負けた記憶があまりない。特に市内大会では負けたことありません。しかし、剣道を続けられなかった。その理由が病気であっても、言い訳できない。こうして、剣道を続けてきた方々がいらっしゃる。そういう方こそ、本当の意味で実力があるんだなと思いました。 - 我流ではダメだ
今の稽古を重ねていってもダメだと改めて思った。これについては、リバ剣を決意した時に、古流の二天一流武蔵会で片手刀法の基本から学びたいと思っていたので、早く実行しなくてはと思った。
目標設定
初日の稽古が終わって帰る支度をしているときに、ひとりの先生が私のところにきて、こうおっしゃった。
「もしかして、学生の頃、強かったんじゃないですか?」
なぜ、そう思われたんでしょうかね。でもその言葉に救われたところがあります。
受け入れられたというか、認められたというか、少しホッとしました。
2カ月前にリバ剣を決意した時から、とりあえずの目標は決めていました。
まずは3年以内に、市民大会で優勝すること。
「あきらめるわけにはいかない」
心の中でそう叫びながら、稽古を続けました。