実際の稽古に参加
基本中の基本を習う
2010(平成22)年1月のこと。
前回の武蔵会東京支部稽古会では、見取り稽古をさせて頂きました。(その時の様子はこちら)
私はもともと、小学生の時に、「古流」というバックボーンを持った指導者の方々に「剣道」を教わりました。(その様子はこちら)
よって、二刀を習ううえでも、古流である二天一流で“竹刀剣道”を教えて頂ける道場を探していました。
「ここだ!」
前回の見取り稽古で直感しました。
そして2週間後。この日が来るのが待ち遠しかった。
会員の皆様にご挨拶させて頂き、稽古に参加させて頂きました。
二刀初心者の私の指導にあたって下さったのは、Kさん(HN:KOJIROさん)でした。
ナンバ歩き
右足が前になった時は 左の腰が入っている。 |
しかし本来は、「剣道」にとっても“基本中の基本”なんですけどね。
まずは、Kさんがお手本を見せて下さった。
「見たことある」
俳優の大御所が出演するようなきちんとした時代劇の出演者は、皆この歩き方をしているな、と思いました。
また、能や狂言もこの“足の運び”をしている。能や狂言の起こりは、剣術のそれとほぼ同時代。
一般庶民から能楽師、武士に至るまで、当時の日本人の身体運用法の基本となるもの。
この土台なくして、“正しい刀法”はあり得ないと思いましたね。
しかし、実際にやってみると非常に難しい。全く出来ないと言っていい。
背骨を軸にして骨盤を回転させる。右足を一歩踏み出した時は左の腰が前に出ている。左足を一歩踏み出した時は右の腰が前に出ている。
つまり、現代人の歩き方とは、踏み出す足と回転する骨盤の方向が逆。歩き方の根本的な動作を変更しなければ出来ない歩き方です。即席で出来るものではないと分かった。
それでも、Kさんの丁寧で解りやすい説明のおかげで、ナンバ歩きの原理は理解できた。
あとは、日常の中で実践し体得していくしかない。普段の歩行もナンバ歩きですると決めた。
この効果は、この半年後ぐらいから徐々に表れ始めることになります。
片手での正面打ち
大刀の重心の位置にしるしがある。 大刀の重心が正中線上にあるのがわかる。 |
この日、Kさんにもう一つ教えて頂いたのが、片手での「正面打ち」。
まずは、大刀の重心位置に黒いビニールテープを巻いてしるしをした。
私は正二刀ですので、右片手で上段に構える。今日はまだ小刀は持たない。空いている左手は体側に下げたまま。
この日、教えて頂いたポイントは4つ
- 大刀の重心が頭の真上にくるように構える。
つまり、刀の重心が自分の正中線上にあるように構えるということ。
二刀の構えは、人によって非常に個性が出ます。例えば、上下太刀の構え(二刀の代表的な構え、上段の構えの一種)の大刀の位置に限ってみても、人それぞれに違います。大刀を頭上高く構える方もいれば、頭上すれすれに低く構える方もいる。
いずれにしろ重要なことは"大刀の重心が自分の正中線上にある"こと。 - 構えた大刀の刃部は相手に向ける。
上段に構えた大刀の刃部が天井を向いていると、振りが大きくなって機を捉えにくい、相手から見て起こりがわかりやすい。 - 腕力で竹刀を振るのではなく、竹刀の重さを引き出して振る。
- 竹刀の「物打ち」が面を打突する瞬間に、拳を跳ね上げて竹刀が重心を中心に回転するように打つ。これが、手の内の“冴え”となる。
「ナンバ歩き」と「片手での正面打ち」。二刀(片手刀法)の基本中の基本。
これで、地元の所属道場、自宅、そして“防風林の中”で、正しい稽古法が実践できる。(防風林の中の稽古についてはこちら)
「二天一流武蔵会の稽古法は素晴らしい!」